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新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」:40代の使い分け実例

新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」:40代の使い分け実例(保存版)

40代は「教育費・住宅ローン・老後」が同時進行になりがち。
この記事では、2つの枠をどう割り振ると迷いが減るかを、実例と表で整理します。

結論:まずは土台→余裕で上乗せ 実例:家族構成別の配分パターン :年表・早見表・チェックリスト
更新日:2025-12-17

まず結論:40代の使い分けはこの3型

① つみたて中心(いちばん迷いにくい)

毎月の積立を「家計の固定費」みたいにして、長期の土台を作る型です。

  • 教育費や住宅ローンで手元資金が重要
  • 投資判断に時間をかけたくない
  • 相場が気になって売り買いしがち

② 併用(つみたて+成長で上乗せ)

「土台は積立、余裕資金は追加投資」。40代で一番現実的になりやすい型です。

  • 毎月の積立は継続できる
  • ボーナスや臨時収入が出る年がある
  • 銘柄や配分を少し調整したい

③ 成長中心(スポット投資や個別株も含める)

まとまった余裕資金があり、投資判断も自分で管理できる方向けです。

  • 相場の上下に耐えられる(精神面・家計面)
  • 家計の緊急資金が十分ある
  • 分散(地域・資産・時間)を意識できる

40代の合言葉

近い将来に使うお金(目安:5年以内)は、原則として投資に回さないほうが安心です。
教育費・車の買い替え・引っ越し・住宅関連の大きな支出などが該当しやすいです。

新NISAの大事なポイント(数字とルール)

年間投資枠(つみたて投資枠)
120万円
月あたりなら上限は10万円のイメージ
年間投資枠(成長投資枠)
240万円
つみたてと併用してもOK
年間投資枠(合計の上限)
最大360万円
2枠の合計で年360万円まで
非課税保有限度額(総枠)
1,800万円(簿価=取得金額)
「値上がり分」は枠を食いません
成長投資枠の上限(総枠の内数)
1,200万円(簿価)
成長枠だけで使うなら上限は1,200万円
売却したら枠はどうなる?
翌年以降に、簿価分が復活
その年の年間投資枠が増えるわけではありません

口座の基本ルール(つまずきやすい点)

  • 口座は1人につき1口座。つみたて投資枠と成長投資枠を別々の金融機関で使うことはできません(同一金融機関で利用)。
  • 金融機関の変更は年単位で可能(ただし手続き・期限・その年に買付済みか等の条件あり)。
  • 2023年までのNISAで保有していた商品はそのまま保有できますが、新しい制度へ移管(ロールオーバー)はできません

投資対象のざっくり差

つみたて投資枠

長期の積立・分散投資に適した「一定の投資信託ETF含む)」が中心です。

販売手数料や分配、デリバティブ活用などに要件があります。

成長投資枠

上場株式・投資信託等を幅広く選べます(ただし一部は除外)。

整理・監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等が除外されます。

40代の優先順位:老後・教育・住宅ローンの整理

40代の悩みは「目的が3つ以上ある」こと。ここでは、投資の前に優先順位を決めるための考え方を、現実的な順番でまとめます。

1)まずは“生活が崩れない”土台

  • 生活防衛資金(急な出費・失業・病気)
  • 金利の借入(カードローン等)があるなら先に見直し
  • 教育費など時期が近い支出は、現金・預貯金で守る

2)次に“長期で育てたいお金”

  • 老後資金:使う時期が遠いほど、積立の相性が良い
  • 教育資金:進学時期が近いほど、投資に回す割合は控えめに
  • 住宅ローン:金利、家計の余裕、精神的負担をセットで判断

住宅ローン(特に変動)の悩みどころ

繰上げ返済と投資は「どちらが得か」になりがちですが、40代は家計イベントが多いので、“家計の安定”を優先して配分を決めるほうが長続きします。
例:毎月の積立は少額でも続け、ボーナスや余裕が出た年に繰上げ返済や追加投資を検討する、など。

使い分け実例(配分の考え方)

ここでは「商品名」ではなく、枠の役割分担に集中します。どれも正解ではなく、家計の条件に合わせて微調整してください。

実例A:40代前半/子ども1人(小学生)/住宅ローンあり/月5万円

狙い:まずは土台を作り、教育費が増える前に“習慣化”。

  • つみたて投資枠:月4万円(自動積立で固定)
  • 成長投資枠:月1万円(余裕がある月だけ増やす)
  • ポイント:成長投資枠は「ボーナスの追加投資」に回してもOK。無理に毎月使い切らない。

実例B:40代後半/子ども2人(中高)/教育費が近い/月3万円

狙い:教育費のピークに備え、投資は“続ける最低ライン”を守る。

  • つみたて投資枠:月3万円(老後目的として継続)
  • 成長投資枠:基本は使わない(臨時収入が出たら検討)
  • ポイント:数年以内に使う予定のお金は投資に入れず、現金で確保。

実例C:共働き40代/ボーナスで年60万円の余裕資金/月8万円

狙い:積立を軸にしつつ、余裕資金で機械的に上乗せ。

  • つみたて投資枠:月8万円(年間96万円)
  • 成長投資枠:ボーナスで年60万円(スポット)
  • ポイント:年間投資枠(合計360万円)を“使い切る”より、家計に合うペースを優先。

実例D:40代/個別株やETFにも挑戦したい/月10万円+不定期の余裕資金

狙い:土台は積立、趣味・分析は成長で“枠を分ける”。

  • つみたて投資枠:月10万円(上限いっぱいまで)
  • 成長投資枠:余裕資金で追加投資(個別株・ETF等も選択肢)
  • ポイント:成長投資枠は上限(総枠の内数)があるので、長期で使うなら配分の継続性を意識。

売却して乗り換えるときの注意

新NISAは、商品を売却すると翌年以降に、売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税保有限度額が復活します。
ただし、その年の年間投資枠(合計360万円)が増えるわけではありません。

40代の家計イベント年表(見通し用)

※一般的な例です。ご家庭の状況に合わせて「いつ・いくら・何のために」を書き換えると、使い分けが決まりやすくなります。

年代 起こりやすいイベント お金の動き NISAの使い分けの考え方
40?44歳 教育の習い事増、車検・買替、住宅ローン見直し、親の体調変化が気になり始める 支出が増えやすい/家計の固定費を整えると効く つみたて投資枠で“土台の習慣化”。成長投資枠は臨時収入がある年だけでも良い。
45?49歳 学費の見通しが具体化、進学費用の準備、住宅の修繕(設備更新) まとまった支出が発生しやすい 教育費など近い支出は現金で守る。NISAは老後目的に絞ると迷いが減る。
50?54歳 高校・大学など支出ピーク、転職・役職定年など働き方の変化 家計の変動が大きくなりやすい 積立を続けるなら、額を下げても止めない工夫。成長投資枠は無理に使わない。
55?59歳 教育費の終盤?終了、退職金・年金の情報を具体化、住宅ローンの終盤戦 支出が落ち着く家庭も増える 余裕が戻ったら、つみたて投資枠の増額や、成長投資枠での追加投資を再検討。

積立の早見表(概算)

前提:毎月一定額を積み立て、年率3%または5%で複利運用できた場合の概算(手数料等は考慮せず)。結果は相場で変動します。

毎月の積立額 期間 元本合計 年率3%の目安 年率5%の目安
3万円 10年 360万円 約420万円 約470万円
3万円 15年 540万円 約680万円 約800万円
3万円 20年 720万円 約990万円 約1,230万円
5万円 10年 600万円 約700万円 約780万円
5万円 15年 900万円 約1,130万円 約1,340万円
5万円 20年 1,200万円 約1,640万円 約2,060万円
10万円 10年 1,200万円 約1,400万円 約1,550万円
10万円 15年 1,800万円 約2,270万円 約2,670万円
10万円 20年 2,400万円 約3,280万円 約4,110万円

40代の読み方(大事)

  • 「増えそう」よりも、続く金額がいちばん強い。
  • 元本の積み上げが大きいほど、後半に複利が効きやすい。
  • 途中で売る可能性が高いお金は、表のような前提が崩れやすい。

迷ったらここ:判断チェックリスト

つみたて投資枠を優先しやすい人

  • 家計に波がある(教育費・住宅関連がこれから増えそう)
  • 相場が気になると売りたくなる
  • 投資に使える時間が少ない
  • 「まずは習慣化」が最優先

成長投資枠を上手に足しやすい人

  • 生活防衛資金が確保できている
  • ボーナスなど余裕資金が出る年がある
  • 資産配分(分散)を意識できる
  • 売買ルール(いつ買い、いつ見直すか)が決められる

“枠を使い切る”より大事な2つ

  1. 年単位で続けられる設計(家計イベントが来ても折れない)
  2. 売る理由が明確(「怖いから」以外のルールがある)

相場が荒れたときの考え方(続ける工夫)

値下がりは「悪い出来事」だけではない

積立は、価格が下がる局面で口数が増えやすい面があります。短期の上下に一喜一憂しない仕組み(自動積立)が相性◎です。

見直すのは“金額”と“目的”

相場が不安なときほど、銘柄探しより「積立額が家計に合っているか」「目的がブレていないか」を確認するほうが現実的です。

売却の候補は「目的が近づいたお金」

教育費など使う時期が近づいたら、段階的に現金化する考え方もあります。新NISAの枠は売却した簿価分が翌年以降に復活します。

焦って“まとめて買う/売る”を避ける

40代は家計イベントが多いので、判断を急ぐほどミスが出やすい時期。迷ったら積立だけ継続、追加投資は一旦止めるのも手です。

今日やること(短い手順)

  1. 目的を2つに絞る:例)「老後」+「教育費は現金で守る」など。
  2. 積立額を決める:まずは無理なく続く金額(つみたて投資枠)。
  3. 成長投資枠の役割を決める:例)「ボーナスの追加投資」「配分調整」「個別株はここだけ」など。
  4. ルールを1行で書く:例)「毎月は積立のみ。追加投資は年2回まで」
  5. 年1回だけ点検日を作る:家計・教育費・住宅ローンの状況が変わったか確認。

よくある質問

つみたて投資枠だけで、総枠(1,800万円)を使い切れますか?

可能です。つみたて投資枠だけ、成長投資枠だけ、どちらも選べます。ただし成長投資枠には総枠の内数として上限があります。

売却したら、その年にまた同じ分だけ買える(枠がすぐ戻る)?

すぐには戻りません。新NISAは、売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税保有限度額が復活し、翌年以降に再利用が可能です。また、その年の年間投資枠が増えるわけではありません。

つみたて投資枠と成長投資枠を、別々の金融機関で使えますか?

できません。1つの金融機関で利用することになります。金融機関の変更は年単位で可能ですが、手続きと条件があります。

成長投資枠は何でも買えますか?

幅広い商品が対象ですが、一部は除外されます。たとえば金融庁の資料では、整理・監理銘柄や、信託期間20年未満・毎月分配型・デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等が除外される旨が示されています。具体的な取扱いは金融機関の取扱商品をご確認ください。

NISA口座で損が出たら、他の利益と相殺(損益通算)できますか?

NISA口座の損益は、一般口座・特定口座など他の口座と損益通算できず、損失の繰越もできません。

免責

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れ等のリスクがあり、制度の取扱いは変更される場合があります。最終的な判断は、金融庁国税庁等の情報や取扱金融機関の案内をご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。

1ページ図解:40代の「つみたて投資枠」×「成長投資枠」使い分け

40代向け:新NISA 使い分け診断フロー スタート:40代の使い分けは「家計の安定」から決める (近い将来に使うお金は、基本は投資に回さない) Q1:生活防衛資金は確保できている?(急な出費・収入減でも慌てない) YESなら次へ / NOなら先に家計の守りを固める NO:まず“守り”を優先 ・現金の厚みづくり / 高金利の借入見直し ・NISAは少額でもOK(続ける設計) YES:次へ 「投資に回してよいお金」が見えたら配分へ (目的:老後/教育/住宅を整理) Q2:毎月の積立を継続できる? 継続できる金額が最優先 基本:つみたて投資枠=土台 ・自動積立で仕組み化(迷いを減らす) ・年間120万円まで(上限は月10万円のイメージ) 上乗せ:成長投資枠=追加・調整 ・ボーナスの追加投資 / 配分調整 / 個別株もここ ・総枠1,800万円の内、成長投資枠は1,200万円が上限 メモ:売却した商品の簿価(取得金額)分は、翌年以降に非課税保有限度額として再利用できます(年間投資枠が増えるわけではありません)。
(2) 年表(超要約)
時期 家計の論点 枠の使い方のコツ
40代前半 固定費の整備/教育費の兆し つみたて投資枠で“習慣化”。成長投資枠は余裕がある年だけでもOK。
40代後半 教育費が具体化/住まいの修繕 近い支出は現金で守る。NISAは老後目的に寄せると迷いが減る。
50代前半 支出ピーク/働き方の変化 金額を下げても止めない工夫。成長投資枠は無理に使わない。
50代後半 支出の落ち着き/老後準備の加速 余裕が戻ったら上乗せ再開(つみたて増額 or 成長で追加投資)。
(3) 早見表(超要約)
毎月 10年(3% / 5%) 15年(3% / 5%) 20年(3% / 5%)
3万円 約420万 / 約470万 約680万 / 約800万 約990万 / 約1,230万
5万円 約700万 / 約780万 約1,130万 / 約1,340万 約1,640万 / 約2,060万
10万円 約1,400万 / 約1,550万 約2,270万 / 約2,670万 約3,280万 / 約4,110万
(4) まとめメモ

使い分けの要点

  • 土台:つみたて投資枠(自動積立で迷いを減らす)
  • 上乗せ:成長投資枠(余裕資金・追加投資・配分調整)
  • 優先:近い支出は現金、長期資金をNISAで育てる

数字(最低限これだけ)

  • 年間:つみたて120万円/成長240万円(合計最大360万円)
  • 総枠:1,800万円(簿価)/成長は1,200万円が上限
  • 売却:簿価分が翌年以降に復活(年間投資枠が増えるわけではない)
  • 口座:1人1口座、2枠を別金融機関で使うことは不可

次に読むおすすめ(40代の迷いが減る順)

  • 新NISAを始める前に:生活防衛資金はどれくらい必要?(家計の守りの作り方)
  • 40代の積立額の決め方:月3万・5万・10万で何が変わる?
  • 教育費が近い家庭の運用ルール:投資と現金の分け方
  • 住宅ローンと投資のバランス:繰上げ返済を検討するタイミング
  • 成長投資枠で迷わない:追加投資を“年2回”に固定する方法
  • 相場が下がったときの行動:やることを3つに絞る(売らない工夫)
  • 夫婦で使う新NISA:家計管理を崩さない分担の仕方
  • 口座選びのチェック:手数料・ポイントより先に見る3項目